遺言書は60代前半がベストタイミング!作成経験者300人が語る「もっと早く書けばよかった」の真実

遺言・相続

はじめに:あなたは「まだ早い」と思っていませんか?

「遺言書なんて、まだ自分には早い」
「元気だから、もう少し先でいいだろう」

もしあなたがそう思っているなら、この記事をぜひ最後まで読んでください。

実は、遺言書を作成した多くの方が「もっと早く書いておけばよかった」と感じているという、興味深い調査結果が発表されました。

弁護士法人 東京新宿法律事務所が60歳以上で遺言書を作成した300人を対象に実施した「遺言準備の実態調査」(2026年2月実施)から、遺言書作成の「理想のタイミング」が見えてきたのです。

この記事では、行政書士として数多くの遺言・相続相談に携わってきた私が、この調査結果を踏まえながら、50代・60代の皆さんが今すぐ知っておくべき「遺言書作成のベストタイミング」について、分かりやすく解説します。

調査で明らかになった「5歳のギャップ」とは?

今回の調査で最も注目すべきは、「実際に遺言書を作成した年齢」と「振り返って理想だと思う年齢」のギャップです。

■ 実際に初めて遺言書を作成した年齢
1位:65~69歳(22.7%)
2位:60~64歳(19.7%)
3位:70~74歳(15.7%)

60代で作成した人は合計42.3%で、最も多い年代でした。

一方で、こんな質問をしたところ、意外な結果が出ました。

「今振り返って、遺言書は何歳までに作っておくのがベストだと感じますか?」

■ 理想だと感じる作成年齢
1位:60~64歳(21.7%)
2位:65~69歳(20.7%)
3位:70~74歳(18.7%)

つまり、実際には「65~69歳」で作った人が多いのに、振り返ると「60~64歳がベストだった」と感じている人が最も多いのです。

この「5歳のギャップ」が意味するのは、多くの方が「もう少し早く準備しておけば良かった」と感じているという事実です。

なぜ60代前半がベストなのか?経験者が語る理由

では、なぜ60代前半がベストだと感じるのでしょうか。

調査では、その理由も聞いています。

■ ベストな年齢を選んだ理由(上位3つ)
1位:「元気なうちなら判断力があり、内容を落ち着いて決められると思うから」(58.3%)
2位:「状況が変わったら見直せるので、まずは早めに作るのが良いと思うから」(9.3%)
3位:「家族(配偶者・子ども等)と話し合える時間があるうちに決めたいから」(8.7%)

特に注目すべきは、1位の理由です。
過半数を超える58.3%の方が「判断力があるうちに」と答えています。

私も相談業務の現場で、この重要性を日々痛感しています。

70代、80代になってから遺言書を作ろうとすると、
・体力的に公証役場に行くのが大変
・複雑な財産関係を整理するのに時間がかかる
・判断能力の低下が心配される場合、公正証書遺言の作成が難しくなる

といった問題が生じることがあります。

逆に、60代前半であれば、
・まだ判断力も体力も十分にある
・財産の全体像を把握しやすい
・家族とじっくり話し合う時間もある
・何度でも見直しができる

というメリットがあるのです。

遺言書作成の「3つのハードル」とその乗り越え方

調査では、遺言書作成時のハードルについても聞いています。

■ 作成時のハードル(上位3つ)
1位:「書き方・形式不備が不安だった」(21.3%)
2位:「何から始めればよいか分からなかった」(19.0%)
3位:「作成が面倒・時間がかかった」(14.0%)

この結果を見て、「やっぱり難しそう…」と思われた方もいるかもしれません。

でも、ご安心ください。
これらのハードルは、正しい情報と専門家のサポートがあれば、十分に乗り越えられるものばかりです。

【ハードル①:書き方・形式不備への不安】

確かに、自筆証書遺言は法律で定められた形式要件を満たさないと無効になってしまいます。

例えば、
・日付がない
・署名がない
・押印がない
・訂正の仕方が間違っている

といった不備があると、せっかく書いた遺言書が無効になることもあります。

しかし、現在では「自筆証書遺言保管制度」(法務局での保管)や「公正証書遺言」といった、より確実な方法があります。

私たち行政書士は、お客様の状況に応じて最適な方法をご提案し、書き方のサポートや公正証書遺言の作成支援を行っています。

【ハードル②:何から始めればよいか分からない】

遺言書作成は、確かに「何から手をつければいいのか」分かりにくいものです。

でも、基本的な流れはシンプルです。

  1. 財産の全体像を把握する(不動産、預貯金、株式など)
  2. 相続人を確認する(配偶者、子ども、親など)
  3. 誰に何を相続させたいかを決める
  4. 遺言書の形式を選ぶ(自筆、公正証書など)
  5. 実際に作成する

この流れに沿って、一つずつ進めていけば大丈夫です。

もし不安があれば、行政書士などの専門家に相談すれば、あなたの状況に合わせた具体的なアドバイスを受けられます。

【ハードル③:作成が面倒・時間がかかる】

確かに、遺言書作成には一定の時間と手間がかかります。

しかし、それは「一生に一度の、家族への贈り物」を作る時間だと考えてみてください。

しかも、一度作成すれば、大きな安心感が得られます。

調査でも、作成後に良かった点として、
「もしもの時の不安が減り、気持ちが楽になった」(40.0%)
が最多でした。

つまり、遺言書は「死んだ後のため」だけでなく、「今を安心して生きるため」のツールでもあるのです。

遺言書作成で得られる「3つの安心」

調査では、遺言書を作成して良かった点も聞いています。

■ 作成後に良かった点(上位3つ)
1位:「もしもの時の不安が減り、気持ちが楽になった」(40.0%)
2位:「家族に自分の意思を伝えられたと感じた」(17.7%)
3位:「自分の考えや人生の整理ができた(終活の一環になった)」(11.7%)

この結果から、遺言書作成によって得られる「3つの安心」が見えてきます。

【安心①:心理的な安心感】

最も多かった回答が「気持ちが楽になった」です。

「もし明日、自分に何かあったら…」
そんな漠然とした不安を抱えながら生きるのは、とてもストレスフルなことです。

遺言書を作成することで、その不安が大きく軽減されます。

これは、私が実際にお客様からよく聞く言葉でもあります。
「遺言書を作ったら、肩の荷が下りた気がする」と。

【安心②:家族への思いやり】

相続は、残された家族にとって大きな負担となることがあります。

・誰が何を相続するのか
・どうやって分けるのか
・手続きはどうすればいいのか

遺言書があれば、これらの疑問や争いを防ぐことができます。

つまり、遺言書は「家族への最後の思いやり」なのです。

【安心③:人生の整理と見直しの機会】

遺言書を作成する過程で、自分の財産や人生を見つめ直すことになります。

・どんな財産があるのか
・誰に何を残したいのか
・自分にとって大切なものは何か

こうした「人生の棚卸し」は、これからの人生をより豊かに生きるためのヒントにもなります。

「まだ早い」は本当か?今が最適なタイミングである理由

「遺言書なんて、まだ早い」

そう思っている方に、ぜひ考えていただきたいことがあります。

今回の調査で、多くの方が「もっと早く作っておけばよかった」と感じているという事実。

これは、「まだ早い」と思っているうちが、実は「ちょうどいい時期」だということを示唆しています。

なぜなら、遺言書は
・何度でも書き直せる
・状況が変われば更新できる
・早く作っても損はない

からです。

むしろ、「まだ早い」と先延ばしにしているうちに、
・判断能力が低下してしまう
・体力的に作成が難しくなる
・家族と話し合う時間がなくなる

といったリスクが高まります。

特に50代・60代の皆さんは、
・キャリアの集大成を迎え
・資産形成が一定程度完成し
・まだ判断力・体力ともに充実している

という、まさに遺言準備の「ゴールデンタイム」なのです。

行政書士が教える「遺言書作成の第一歩」

では、実際に遺言書を作成するには、どうすればいいのでしょうか。

私が行政書士としておすすめする「最初の一歩」は、こうです。

【ステップ1:情報収集】
まずは、遺言書の基本的な知識を身につけましょう。
・自筆証書遺言と公正証書遺言の違い
・それぞれのメリット・デメリット
・必要な書類や費用

【ステップ2:財産の確認】
ご自身の財産を整理しましょう。
・不動産(土地・建物)
・預貯金
・株式・投資信託
・生命保険
・その他の財産

【ステップ3:相続人の確認】
法定相続人が誰なのかを確認しましょう。
・配偶者
・子ども
・親
・兄弟姉妹

【ステップ4:専門家への相談】
一人で悩まず、専門家に相談しましょう。
・行政書士
・弁護士
・司法書士

特に、「何から始めればいいか分からない」という方は、まず専門家に相談することをおすすめします。

私たち行政書士は、お客様の状況を丁寧にお聞きし、最適な方法をご提案いたします。

遺言書は「家族への最後のラブレター」

私は、遺言書のことを「家族への最後のラブレター」だと考えています。

それは、単に財産の分け方を書くだけのものではありません。

・家族への思い
・感謝の気持ち
・これからの人生への願い

そうしたあなたの想いを、形にして残すものなのです。

そして、その「ラブレター」を書くベストタイミングは、元気なうちです。

今回の調査が教えてくれたのは、まさにそのことでした。

まとめ:「気になった今」が最適なタイミング

最後に、この記事の要点をまとめます。

✓ 遺言書を作成した人の多くが「もっと早く作ればよかった」と感じている
✓ 理想的な作成時期は「60代前半」
✓ 理由は「判断力があるうちに落ち着いて決められる」から
✓ 作成のハードルは「書き方の不安」「何から始めるか分からない」
✓ でも、専門家のサポートがあれば乗り越えられる
✓ 作成後は「気持ちが楽になった」という声が最多
✓ 遺言書は「家族への最後の思いやり」

もしあなたが今、この記事を読んで「遺言書、気になるな」と思ったなら、それがベストタイミングのサインです。

「まだ早い」と思っているうちが、実は「ちょうどいい時期」なのです。

遺言書は、あなた自身の安心と、ご家族の未来の平穏のために。

もし少しでも気になることがあれば、お気軽に行政書士にご相談ください。
一緒に、あなたとご家族の安心を形にしていきましょう。

【参考記事】
遺言書の初回作成は65~69歳が最多、準備の適齢は60代前半が上位に(弁護士法人 東京新宿法律事務所調査)
https://www.fnn.jp/articles/-/1007315